息子は今、小学校の特別支援学級(情緒)に在籍しています。
我が家では入学の時点でまだ支援の必要性を感じていたので最初から支援学級の選択をしましたが、年度途中や新年度を機に支援学級へ移動するお子さんもちらほら見かけます。
特別支援学級か通常学級か…年長になると迫られるこの決断には迷う人って多いかと思います。
私も多少は迷いました。
周りに勧められるがままに支援学級へ決断することはできず、自分でも支援学級に入ることのメリット・デメリットを自分なりに調べ、納得してから決断しました。
私が現時点で把握している特別支援学級に対する良い点、気をつけるべき点を共有することで、これからお子さんの進学を検討している方の参考になれれば幸いです。
【特別支援学級のメリット】〜実際に1年通わせて良かった点
学校によって違うかもしれませんが、私が特別支援学級に入れて良かったなと思う点をまとめました!
特別支援学級のメリット
- 学校生活も授業もある程度個別対応してもらえるので本人のペースで進められる
- 様々な行動に対して、通常学級だと集団の声かけのみだが、支援学級だと個別に声かけてもらえるから認識しやすい。
- 毎日学校の様子を連絡ノートで共有してもらえる
- 担任への相談事も通常学級と比べて連絡しやすい(電話や連絡ノートなど)
- クラス内に上級生もいるのでお手本になる
うちは入学時点で特別支援学級を選択しましたが、スタートはこの選択で良かったと思っています。
【特別支援学級のデメリット】〜注意したい点
逆に特別支援学級に通う中で、気になる点もありました。
※あくまで個人的に感じたことです。
特別支援学級でデメリット
- 支援学級の人数が圧倒的に通常学級に比べ少ない
- 比較できる相手がいないのでいわゆる『普通』の基準がわからなくなる
- 支援学級に行くことで学習の遅れが出ないかが心配
- 小学校以降の進路の選択肢が狭くなる可能性がある
このデメリットとまで言わずとも、ちょっと気をつけたいと思った点を少し詳しくお話したいと思います。
【デメリット1】支援学級の人数が圧倒的に通常学級に比べ少ない
息子の学年では結局、支援学級に入ったのは息子一人でした。
日常的に同じ学年のお子さんと交流できる機会は少ないのは、友達ができる機会も少ないのではと感じていました。
ただ、息子の場合は放課後にミニ児童館に行っているので同世代との交流もあるはずですが、何の興味もないところからしたらさほどデメリットにも感じていないのが正直なところです。
【デメリット2】比較できる相手がいないのでいわゆる『普通』の基準がわからなくなる
良くも悪くも比較する相手がいない…これは子供本人としては自分のペースでできる安心感と、他人との優劣を感じる機会がないので単純に自分の出来高か自信に繋がりやすい。
息子は特性の一つとして、自信のなさから何事にもチャレンジする前から諦めてしまう傾向にあるので一概にデメリットではないんですが、親からしても基準が全て我が子のみとなる点ではデメリットと感じます。
息子か苦手なことに直面しても
これ以上無理をさせないべきか。
さじ加減が難しいと感じています。
ただ、時には周りと自分の比較は個人的にはあった方が良いな~とも思います。
難しいです…。
ただ、幸い近所に同学年の通常学級に通うお子さんも数人おり、ママ同士で話を聞ける環境はあるのでたまに様子を伺うことはできるので、
授業の進行具合や通常学級の様子は聞くとこはできてるので参考にしてます。
【デメリット3】支援学級に行くことで学習の遅れが出ないかが心配
支援学級だと本人のペースで学習を進めていただけるので、その点では支援学級の良いところと思っています。
ですが、じゃあ実際に本人の理解度がゆっくりだった場合、6年間でどこまでのカリキュラムを目標とされているのか?
事前に小学校に見学に行った際に支援学級の先生に聞いてみました。
その時に対応してくださった先生は、
『6年間で小学校4年生のカリキュラムまで身につくように進めている』
とおっしゃっていました。
これは全国の小学校で統一の目標かどうかは分かりません。
(あくまでも息子が通う小学校で聞いた内容です。)
それ以上の学力があるお子さんの場合は個別に進めるそうなので5年生、6年生と勉強を進めることも可能のようですが、進みがゆっくりなお子さんの場合は小学校で4年生くらいまでを目標とし、足りなければさらに塾などでで補うお子さんもいらっしゃるようです。
要するに本人次第…支援学級だから遅いということではなく『本人のペース』を大切にしてくれるようです。
実際に1年過ごしてみた特別支援学級
現在息子は小学2年生となりましたが、今の所、特別支援学級であるが故に伸び代を失っている感じは全くありません。
1年生途中で周りのお母さんに授業の進行具合を聞くとやはり通常学級の方が早いな…と感じてましたが、実際にうちも年度終わりまでには1年生のカリキュラムもほとんど遅れがなくすみました。
むしろ、去年1年間、本人のペースで学べたことで着実に自分の知識となっているように感じます。
担任の先生のおかげだな、と感じます。
ただ、苦手な国語は理解に乏しい部分があったので、その復習と今後の勉強の補完のために2年生からは家庭でもタブレット学習を取り入れました!
我が家では進研ゼミのタブレット教材『チャレンジタッチ』を取り入れました。チラシを見てコンテンツや集めたポイント数(?)に応じて景品ももらえるようで、(景品については私が興味なく…詳細曖昧です…。)
とりあえず本人が自分から「やってみたい」と意欲を示したのではじめてみました!
今の所ほぼ毎日取り組んでいて家庭学習の習慣も身についてきて始めてよかったです☆
うちは家でできる方法を選びましたが、他のお子さんでは学習支援に特化したデイサービスを増やしたり、塾に通わせるご家庭もあったりと支援学級のお子さんも学校以外にも学習の機会を取り入れて工夫されているようです。
小学校在学中に支援学級から通常学級への変更は可能なのか?
支援学級から通常学級への変更について。
これは本人次第ではありますが、たとえ息子自身が大きく成長してくれても学校側で対応してくれるかは正直不安に思ってます。
実際の制度上では、自治体の教育委員会の方に申請して通れば可能なはずです。
実際に入学前に知り合いのお母さんから色々な小学校の話は聞いていましたが、中には本当に年度途中や新年度の切り替え時から通常学級へ移行されたお子さんの話も聞きました。
しかし、通常学級では今まで手厚くしてもらえていた支援は受けられないと思った方が良いと思います。
授業のペースも一人一人の子供に合わせてはもらえません。
そして、学校により対応に差があるんじゃないかとも想定しています。
以前、入学前の見学時に支援学級から普通学級への移動は可能なのか先生に聞いてみたんですが、
『できなくはないが、事例はない』
…と言われました。
雰囲気的にあまり簡単に変更できるような印象ではないお返事でした。
ただ調べたところ、うちの小学校の支援学級自体がまだ4〜5年しか経っていないようで比較的新しいので、色々と前例がないのは仕方がないのかもしれません。
そして、学校側も色々とご都合があるんだとも思うので、もし今後通常学級でも大丈夫そうなくらい息子が成長をしてくれたなら、学校側にご迷惑がかからないタイミングで変更の相談をしていきたいと考えてます。
どう決めたら良い?〜特別支援学級は人生のデメリットになるのか
うちの子は3歳の頃から児童精神科にかかり定期的に発達検査もしてましたので、知的障害まであるかどうか、発達がどの程度成長しているか、何ができて何を苦手とするのか今までの検査結果からも把握することができています。そして、進路相談の時も資料として学校側へ提供も出来ましたので色々と話が進めやすかったです。
ただ、特別支援学級へ行く子たちが皆、病院へ通っているわけではなく、発達検査も教育相談で初めて受ける方も多いと思います。
今まで通常学級で他の子と同じように生活してきたなら尚更、受け入れがたい親御さんだっていると思います。
個人的に思う特別支援学級にするか否かの判断基準としては、
子供自身が困っているかどうか。
そして、
どちらの方が子供を伸ばす環境として適しているか。
ってところを重点的に考えました。そして、実際の学校の様子を通常学級と特別支援学級の両方を見学をして決めました。
特別支援学級のメリット・デメリットを親が分かっていることで、その後も学校側と必要な支援を相談しやすいと思います。
調べたり、何度も見学に行ったり…と正直大変でしたが、色々と事前に情報を集めておいて私は良かったと思います。
特別支援学級に移動しても交流で通常学級と関わることはできる
支援学級に在籍していても交流学級といって、朝の会や休み時間、得意な教科があれば可能な限り通常学級に混ざり生活する機会はあります。
うちの場合は入学当初は、特性でもある言語の苦手さがあり、伝えたいことをうまく言葉にできな買ったのでまだ交流学級は難しい状況でした。
また、勉強以外の休み時間の過ごし方や授業前の準備なども1人ではできないので最初の一年間は朝の会のみ、交流学級に参加していました。
しかし2年生になってからは、息子もだいぶできることも増えたので、朝の会の他に割と得意な算数も交流学級に行けることになりました。
(先生からご提案を頂いたときは涙が出るくらい嬉しかった〜)
このように特別支援学級でも本人のできる範囲で通常学級に関わることも可能ではあります。
但し、親の希望だけ通そうとしても学校側の都合もあるので、必ずしも希望が通るとは限りません。
先生方のご都合も思慮して交渉することがお勧めです。
特別支援学級に対するデメリット感よりも、今子供に必要な支援と環境を
個人的に思うことですが、
特別支援学級と聞くと障害者のイメージがどうしても強くなり、周りに対する印象や、やはり『普通』と言う環境から離れる懸念がどうしてもあると思います。
そこにデメリットな印象を感じ、いわゆる『普通』と言う枠から離れたくない気持ちが出てくると思います。
確かにスタンダードな進路ではなく、少数派なんですよね。
うちの長男は3歳で自閉症スペクトラムの診断がついているので、すでに障害者と言う位置づけにも受け入れるしかない状況でしたので支援学級に入れることにさほど抵抗はありませんでした。
但し、一応息子にも通常学級と支援学級、両方を見学させて本人の意見も聞きました。
幼い子供じゃ正直わからないことの方が多いでしょうが、それでも見た感じの印象でも良いと思い、本人の意見も参考にしました。
我が家の場合、息子自身よくわからないまま見学していましたが、支援学級の環境の方が居心地良かったのか自分でも支援学級を選んでいました。
結果的にうちの子は支援学級に入れて良かったと思いますが、本人がもし通常学級を強く希望したら通常学級からスタートしていたかもしれません。
でも、どこに在籍していても本人が前向きに頑張れる環境にいさせてあげたいと思うので、これからも困り感や辛さがないか注意して様子を見てあげたいと考えます。