小学校の入学前に特別支援学級を勧められた方へ〜我が家の考え方

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小学校の入学前に特別支援学級を勧められた方へ〜我が家の考え方

こんにちは。私は現在、広汎性発達障害の息子と4歳離れた娘を持つ母です。

上の子は1歳頃から様々なこだわりや癇癪、自傷行為、発語の遅れ、感覚過敏がありました。3歳の時に児童精神科にて診断を受け、病院やデイサービスで療育をしていましたが、そんな息子も小学生になりました。

年長になってから入学までの間、進路決定について色々あったことを忘備録としてまとめました。

今の私が知っている事を必要としている人がいるなら、ここで共有することで参考になってもらえたら嬉しいなと思います。

小学校就学前に勧められた、特別支援学級への道

一般的に小学校就学と言えば当たり前に普通学級に入ると思う保護者の方が多いかと思われます。

しかし、発達がゆっくりなお子さんには通常学級以外を勧められる場合があり、いくつか選択肢がありました。

  • 特別支援学校
  • 特別支援学級
  • 通級
  • 通常の学級

お子さんの発達状況に応じて無理のない学校生活を送れるよう支援を受けられるようです。

うちの息子の場合ですが、年長の当時で自閉スペクトラム症の診断がついており、各所で支援や療育を受けながら生活をしていましたが、
当時の発達検査の結果が以下です。

5歳の発達検査の結果

IQ75で知的障害には該当しないようですが、同年代のIQ平均値よりは低いと言われていました。
(ちなみにIQ70以下だと知的障害に該当するらしいです)

この結果を教育相談へ持っていき息子の進路を相談するよう勧められたのですが、進路決定までには

進路決定までにやる事

  • 数回にわたる教育相談
  • 学校見学

と各所へ問い合わせや訪問、相談が必要でした。

ただし、教育相談自体は特に行かなければならない強制的なものではなく、子供の小学校生活が心配な方が自発的に相談に行く機関となるのでそのまま放置すれば自然と普通学級へ進学となりますが、うちは元々保育園生活の時点で様々な配慮を受けていた状態なので自然と教育相談に行く流れとなりました。

特別支援学級に決定するまでの流れ

就学相談と小学校の見学

就学先決定までの経緯は、我が家の場合は通っていた児童発達支援デイサービスから事前に、年長になったらすぐ就学相談と入学予定の小学校へ見学に行くよう勧められていました。

また、学校見学は最低3カ所行った方が良いと言われていました。

うちの場合は就学予定校で2回、別の小学校は1カ所のみでしたが、仕事しながら都合つけるには我が家は2カ所がが精一杯でしたが、それでも複数の学校に見学に行ってよかったと思います。
小学校は引っ越しでもしない限り、就学校は住んでいる場所で決まるから意味ないとも思っていましたが、意外と他校の見学もお勧めです。

理由としては、

複数見学に行く理由

  • 就学予定の小学校に支援学級がない場合がある
  • 小学校と児童館が離れていて子どもが自力で行けない
  • 同じ支援学級でも小学校により方針や支援の仕方、環境が多少異なる

この辺りが言えると思います。

小学校に支援学級がない場合

就学先の小学校では特別支援級がない学校もまだあるので、支援級のある近隣の学校に就学するケースもあるようです。

就学先の小学校周辺に児童館がない

児童館を利用しないならこちらは関係ありませんが、放課後お仕事の都合などで児童館を利用したい場合、小学校にミニ児童館があれば校内から出ずに児童館へ預けられますが、児童館が離れている場合は子どもが自力でいかなければなりません。
発達に心配があるお子さんが自力で行けない場合、対処ができないので校内にミニ児童館がある他校への入学が許可される場合があるようです。

小学校により方針や支援の仕方、環境が多少異なる

うちの場合は、支援級もミニ児童館もあったので正直環境は揃ってましたが、それでも他校の見学に行ってよかったと思ってます。

結局2つしか見学に行きませんでしたが、双方の小学校でも支援の方法や環境が違い、色々な方針を知れるだけで私自身の支援方法の引き出しが増えて複数の見学に行ってよかったと思います。

小学校の教員は転勤があるので先生がずっといる保証はないんですが、その時の支援学級の担任やその学校全体が支援についてどういう方針をとっているかや親との連携の取り方など、小学校によって多少の違いがあり、今後就学先の担任の先生と連携を取る上で私自身が色々な支援の仕方を知っておくのは、子どもに必要な支援を相談する上でとても参考になりました。

小学校見学は事前に見学可能かを問い合わせ、見学が可能であれば行くタイミングも相談します。
息子の時はコロナ禍で学校への出入りも制限がありなかなか大変でしたが、見学可能でした。

問い合わせのタイミングは、運動会など行事ごとが近くにある時期でしたら行事ごとが終わってからの方がお勧めです。
先生方がお忙しい時期は断られることもあるようです。

そして、できれば子どもを連れて通常学級と支援学級の両方見ることをお勧めします。
実際に通常学級と支援学級の教室の様子や授業の進め方、子ども自身の反応もとても参考になりました。

早め早めの行動がお勧めです

私の地域の就学相談では進路の意思決定は年長の秋、遅くても11月頃までには決めるように求められます。それまでに、就学相談や小学校の見学は終わらせなければなりません。

就学相談も先々まで予約がいっぱいな事が多いので年長になったらすぐに行動するくらいの早めの行動がお勧めです。

就学相談は必要に応じて数回行くことも可能ですが、毎回事前の予約が必要になり、数ヶ月先の予約になることもしばしば…やはり早めに動くのが吉です。

普通学級か支援学級か選ぶ際の決め手

普通学級にするか支援学級にするか。

我が家はあまり悩まず支援学級に決まりましたが、これは私と夫との息子に関する考え方が比較的一致していて、二人とも息子の小学校生活にはまだ大人の支援が必要と思えたから。

その中でも決め手になったのは、

支援学級への決め手

  • 集団行動が苦手
  • 周りと自分を比較していまい自信が保てないことが多い
  • 一つ一つの行動に個別に呼びかけてもらわないと自分事と思わずついていけない
  • 深く息子に関わってくれている人ほど初めは支援学級の方が良い、と勧めてもらえたから

この辺りかな、と思います。

特に最後の二つは私的に重要度高めでした。

一つ一つの行動に個別に呼びかけてもらわないと自分事と思わずついていけない

息子は元々言葉の発達が特に遅かったのですが、年長の時点でも普通に会話はできるものの、言葉の認識について遅れを感じる部分がまだ多く、自分の属性という認識は特に理解できていませんでした。
例えば…

  • 自分が男の子か女の子か
  • 何組にいるのか
  • 『みんな』という声がけに対して自分が該当しているのかどうか

この辺の理解がありませんでした。

なので、『◯◯組の男の子〜!』って先生に呼びかけられたところで無反応なんです。
個別で名前で呼んでもらい説明しないと伝わらないんです。

これを小学校で1人しかいない担任の先生に個別対応を求めても無理だと思いました。

そしてここで先生の集団に対する呼びかけに気づけないと全ての行動に遅れをとり、自分のやるべき事が理解できないと思ったんです。

深く息子に関わってくれている人ほど初めは支援学級の方が良い、と勧めてもらえた

そして、このような集団生活でついていけない場面は家じゃ見えない部分です。家では息子のことを名前で呼び、対面のコミュニケーションになるので成立します。
保育園の先生やデイサービスの先生が見る息子の様子を参考にしないとまず気が付けない部分だと思います。
この点で深く関わりのある先生方は口を揃えて

『無理はさせない方が良い』

『最初は支援学級の方が合ってると思う』

一致でした。www

親の私たちとしても幼いうちに発達の土台や、学習の基礎を多少遅くてもしっかりと身につけたい希望があったので、個人のペースを尊重してもらえる支援学級に決めました。

就学先を決めたら

就学相談へ報告します。支援学級へ申し込みする際は、就学相談で申し込みをする流れになります。

通常学級か支援学級かの決定は相談員からどっちが良いか勧められる場合もあるようですが、意思決定はあくまで保護者とのことでした。ただ、実際に支援学級に入れるかどうかの最終的な判断は自治体の教育委員会の判断です。
普通学級以外は誰でも勧められたり希望したからといって必ず入れるわけではなく地域によっては支援が必要なお子さんでも小学校側で教員の人手不足により支援学級に入れないケースも珍しくないようです。

我が家の場合は支援学級で申し込みした結果、無事に通りました。

特別支援学級の対象は?

特別支援学級は障害種別ごとに、

  • 知的障害
  • 肢体不自由
  • 病弱・身体虚弱
  • 弱視
  • 難聴
  • 言語障害
  • 自閉症・情緒障害

の学級が設けられています。

それぞれの対象基準は、文部科学省の公式サイトを以下にご紹介します。

ア 知的障害者
知的発達の遅滞があり,他人との意思疎通に軽度の困難があり日常生活を営むのに一部援助が必要で,社会生活への適応が困難である程度のもの
イ 肢体不自由者
補装具によっても歩行や筆記等日常生活における基本的な動作に軽度の困難がある程度のもの
ウ 病弱者及び身体虚弱者
一 慢性の呼吸器疾患その他疾患の状態が持続的又は間欠的に医療又は生活の管理を必要とする程度のもの
二 身体虚弱の状態が持続的に生活の管理を必要とする程度のもの
エ 弱視者
拡大鏡等の使用によっても通常の文字,図形等の視覚による認識が困難な程度のもの
オ 難聴者
補聴器等の使用によっても通常の話声を解することが困難な程度のもの
カ 言語障害者
口蓋裂,構音器官のまひ等器質的又は機能的な構音障害のある者,吃音等話し言葉におけるリズムの障害のある者,話す,聞く等言語機能の基礎的事項に発達の遅れがある者,その他これに準じる者(これらの障害が主として他の障害に起因するものではない者に限る。)で,その程度が著しいもの
キ 自閉症・情緒障害者
一 自閉症又はそれに類するもので,他人との意思疎通及び対人関係の形成が困難である程度のもの
二 主として心理的な要因による選択性かん黙等があるもので,社会生活への適応が困難である程度のもの

障害のある児童生徒等に対する早期からの一貫した支援について(通知)|文部科学省より引用

私が就学相談に行った時にも上記と同じ内容が書いたものを渡されましたが、いまいちこの内容が自分の子供に該当するのかはよくわかりませんでした。

しかし、実際はこの基準だけで判断され決められるわけではなく、保護者と面談による聞き取り、通っている幼稚園や保育園からの情報提供、専門医による発達検査などを踏まえ、総合的に判断をされるようです。

障害の判断に当たっては,障害のある児童生徒の教育の経験のある教員等による観察・検査,専門医による診断等に基づき教育学,医学,心理学等の観点から総合的かつ慎重に行うこと。

障害のある児童生徒等に対する早期からの一貫した支援について(通知)|文部科学省より引用

このような様々な観点を判断基準とされるようですが、あくまでも最終的な意向を決めるのは保護者です。

周りからいくら支援学級を勧められても保護者さんが通常学級を選べばその時点で就学相談は終了となり、特別支援学級へ進むことはなくなります。
つまり、

特別支援学級に進ませるか否かの第一関門が保護者の決断次第

なんだと思います。

息子の小学校入学と支援学級に感じる不安

うちの息子はこの春、予定していた小学校の特別支援学級に入学しました。

息子の場合、元々病院やデイサービスにお世話になっていたのもあり、
就学に関する選択肢があることや、その選択肢の中でどれを選べば良いかの考え方、就学相談のことも教えてもらえていたので、戸惑うことはありませんでした。

しかし、それでも通常学級か支援学級、どちらを選ぼうかは多少は考えました。
特に支援学級に進んだ際に起こり得るデメリットについては把握しておきたかったんです。

気になった点

  • やっぱりできることなら普通学級に行って欲しいと思う親の気持ち。
  • 支援学級に行くことで本来もっとできる可能性を潰し、学習の遅れが出ないか
  • システム的には支援学級→通常学級へ変更できるはずだけど本当にそうか?
  • 支援学級にいることで将来の選択肢が狭くならないか

上記が私が心配している点ですが、正直今でもこの心配は解消できていません。

支援学級に在籍し、ゆくゆく中学生も支援学級に…となると内申がつかず高校進学に影響する場合もあるとも聞いています。

子どもの成長は幼い頃からの土台作りが大切

子供の進路について正解が何なのかは常にわからず、手探りです。
ただ、私は以前デイサービスで教えていただいたことを参考に考えるようにしています。

通っていたデイサービスの先生から様々な療育方法のうちの一つである、感覚統合療法の考えの中に『発達の木』というものがあることを教えて頂きました。

『子供の成長をりんごの木に例えると良い。根がしっかりしている木は、やがて大きくなった時に幹も太く、その上になる実もしっかりする。』

つまりは、子供の成長も土台が大事、と。
その土台は幼いうちにしか身につかないものもたくさんある為、早期療育というものが早ければ早いほどより成長を促すのに効果があると言われているそうです。

実際に息子も3歳からデイサービスや病院に通い様々な療育を受けてきたおかげでとても成長したと感じています。

その経験があったのもあり、我が家では息子にはまだ土台をしっかり作ってもらいたいという気持ちを大切にしました。
背伸びをせずに今の息子に焦点をあてて、必要な環境を考えた結果、自然と支援学級の選択に至りました。

もちろん本人の意思も尊重したいので、本人にも支援学級を見せ、みんなとは少し違う教室であることも説明した上で嫌がらなかったので良かったです。
(ちなみに障害の告知はしてません。障害は伏せ、みんなと少し違う環境ってことだけを伝えました)

我が家が支援学級を選んだもう一つの理由

また我が家で支援学級を選んだ理由のもう一つに、通常学級から支援学級に移行するより支援学級から通常学級へ移行する方が子供本人のモチベーションは高く保てると、息子の支援に関わる方からアドバイスを受けました。

『確かに!』と思いました。

身内や友人の中には通常学級に言ってみてダメだったら支援学級でも良いのでは?

と勧められたりもしましたが、その時の子供の心境を考えたら…通常学級でついていけなかった現実やネガティブな感情が子供の中に残ってしまう方が辛いだろうと思い、支援学級を選びました。

2022.7.18【追記】

現在、小学2年生になった息子は先日、先生からの勧めがあり得意の算数のみ、交流級と言ってその教科だけ通常学級に混ざって参加することになりました。得意な科目なだけあり自信を持って取り組めているようでとても楽しく交流級に参加ができているようです。
一歩ずつゆっくりではありますができることが増えてとても嬉しく思います(^ ^)

もし小学校で支援学級を勧められたら?

個人的な考えにはなりますが、まずは子供の為にも耳を傾けてあげてほしいなと思います。
そして子どものどんな様子を見て支援学級を勧められたのか、先生に理由を伺ってみて欲しいと思います。

急に特別支援学級を勧められたらどんな方でも最初は戸惑いや抵抗があるかと思います。
しかし、家では困ることがなくても、親には見えない子供の中の社会環境で困りごとがたくさんあるのかもしれません。
子供が自力で解決するのはまだ難しいこともたくさんあると思うんです。

支援学級を勧められてもなかなか受け入れられない方へ

就学先の希望については、基本的には保護者の意向を優先して教育委員会で審議してもらえるようですが、支援学級に抵抗があり、就学前検診などで勧められたとしても結局は普通学級を選択する保護者様が多い実状をよく耳にします。

今の時代だからこそなのかは分かりませんが、成長に偏りがあったり全体的に遅れがある場合、子供が支援を受けるためには確かに『障害』の診断がついてしまうことがあります。
うちの子は3歳で発達障害の診断がついてます。
なんとなく発達障害と聞くと『=知的障害』と思われがちですが、うちの子は知的障害には今のところ該当していません。

でも普通なのに障害扱いされるとも思っていなくて、

  • ただ偏りがある発達に対し、支援を受けた方が子供のためになる
  • その為に発達障害の診断があると病院、保育園等各所で適切な保育や支援を受けやすい

それだけです。

私は発達障害に対しての専門家でも何でもないただの母親ですが、支援学級に対する不安や、発達障害の障害受容というものについてはよく理解していない方ほど障害をつけられることの将来を恐れ、受け入れられないでいるような印象を持ちます。

私も不安です。でも、目の前の現状、周りのお子さんについていけてない息子も見てるので、将来の心配ばかりではなく現状の息子の成長を一つ一つ固めてあげるにはどうすべきか考えると自ずと障害受容ができました。

まずは発達障害について知り、小学校の入学先についても一つ一つ調べる事が大切だと思っています。

まとめ

小学校では子供が個々の成長に合わせて受けられる支援体制いくつかあります。
支援学級を勧められたとしても、まずは通級というものや放課後等デイサービスなど他の支援から始めてみる選択肢もあります。
(通級や放課後デイサービスについては書ききれないのでご自身で調べてみて下さいね)

もし支援学級を勧められたとしても嫌な気持ちにならずに、まずは周りの声、子供の様子を冷静にみて何が一番子供のためになるかを考えてもらえたらいいな、とあくまで個人的な考えですが思います。

小学校以降のことについて自分なりに調べてみたこともまとめてみました。
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最後まで読んでいただきありがとうございました。

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札幌で夫と2人の子供と暮らしてます。 医療専門職/Webデザイナー/ブロガーと多様な働き方をしてます。 長男の自閉症スペクトラムが発覚してからは育児と仕事の両立に試行錯誤しながらも自分らしく暮らすために日々奮闘中。このブログでは、そんな日々の記録を綴ってます。

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