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特別支援学級にデメリットはあるのか〜子供が前向きに進める選択肢を

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特別支援学級にデメリットはあるのか〜子供が前向きに進める選択肢を

うちの息子は3歳の頃に自閉症スペクトラムの診断を受け、年長の時に発達検査でIQ 75と実年齢に比べてゆっくりの発達と言われています。
その結果を踏まえ、入学時は初めから特別支援学級を希望し、今は最寄りの小学校の特別支援学級(情緒)に在籍しています。

年長になったら迫られる小学校の進路選択

年長になる前からちらほらと話題に出始める小学校の進路選択。

我が家では入学の時点でまだ支援の必要性を感じていたので、最初から特別支援学級の選択をしました。
ですが年度途中や新年度を機に特別支援学級へ移動するお子さんもちらほら見かけます。

特別支援学級か通常学級か…年長になると迫られるこの決断に迷う親御さんもかなり多いかと思います。
私も迷い、悩みました。

保育園の先生、病院の先生、デイサービスの先生…と息子に特別支援学級への入学を勧めてくれたあらゆる方々にもたくさん相談した上で納得してから決断しました。

意思決定までの道のりでは、周りに勧められるがままの決断することはできず、自分でも特別支援学級に入ることのメリット・デメリットを自分なりに調べました。私が現時点で把握している特別支援学級に対する良い点、気をつけるべき点を共有するので、これからお子さんの進学を検討している方の参考になれれば幸いです。

特別支援学級のメリット】〜実際に1年通わせて良かった点

学校によって違うかもしれませんが、私が特別支援学級に入れて良かったなと思う点をまとめました!

特別支援学級のメリット

  • 学校生活も授業もある程度個別対応してもらえるので本人のペースで進められる
  • 様々な行動に対して通常学級だと集団に対する声かけのみだが、特別支援学級だと個別に声かけてもらえるから認識しやすい。
  • 学校の様子を連絡ノートで共有してもらえる
  • 担任への相談事も通常学級と比べて連絡しやすい(電話や連絡ノートなど)
  • クラス内に上級生もいるのでお手本になる

うちは入学時点で特別支援学級を選択しましたが、スタートはこの選択で良かったと思ってます。

【特別支援学級のデメリット】〜注意したい点

逆に特別支援学級に通う中で、気になる点もありました。

※あくまで個人的に感じたことです。

特別支援学級でデメリット

  • 特別支援学級の人数が通常学級に比べ圧倒的に少ない
  • いわゆる『普通』の基準がわからなくなる
  • 学習の遅れが出ないかが心配
  • 小学校以降の進路の選択肢が狭くなる可能性がある

このデメリットとまで言わずとも、ちょっと気をつけたいと思った点を少し詳しくお話したいと思います。

【デメリット1】特別支援学級の人数が通常学級に比べ圧倒的に少ない

息子の学年では結局、支援学級に入ったのは息子一人でした。
特別支援学級に入る子供の数はもう運でしかありません。

日常的に同じ学年のお子さんと交流できる機会は少ないのは、友達ができる機会も少なそうと気にはなりました。

ただ、息子の場合は放課後にミニ児童館に行っているので同世代との交流もあるはずですが、周囲の友達にはあまり興味がなく1人で遊んでいることが多いようなので、本人的にはあまりデメリットにもならなかったのが正直なところです。

【デメリット2】いわゆる『普通』の基準がわからなくなる

良くも悪くも比較する相手がいない、もしくは少ない…
これは子供本人としては他人との優劣を感じる機会がなく、自分のペースでできる安心感に繋がることだと思います。
できることが増える度に自信にも繋がっていってます。ですがその反面、比較する相手がいないことは親からすると基準が我が子しかいないので周りとの違いに気づきにくく、いわゆる『普通』の基準がわからなくなります。子供同士でも個別で学習をしてくれるので同級生がいたとしてもあまり競争感覚や優劣は感じにくい環境です。

息子は特性の一つとして、周りと比較することで自信を無くし、何事にもチャレンジする前から諦めてしまう傾向にあるので自分のペースを守れる環境は一概にデメリットではないんですが、普通学級のお子さん方の状況がわかりにくく、親からしても基準が全て我が子のみとなる点ではデメリットと感じます。

例えば、息子が苦手なことに直面しても

これ以上無理をさせないべきか。

もう少し頑張らせた方が良いのか

甘やかしなのかそうではないのか…

さじ加減が難しいです。
なので親としては時には周りと自分の比較は個人的にはあった方が良いな~とも思います。

難しいです…。

なので時々近所の同学年お子さんや、そのママに授業の進行具合や通常学級の様子は聞くようにしてます。
情報収集は大事だと思います!

【デメリット3】学習の遅れが出ないかが心配

これは子供本人次第だと思います。
特別支援学級だと本人のペースで学習を進めていただけるので、その点では良いところと思っています。
ですが、じゃあ実際に本人の理解度がゆっくりだった場合どうなるのか?
6年間でどこまでのカリキュラムを目標とされているのか?

事前に小学校に見学に行った際に特別支援学級の先生に聞いてみました。

その時に対応してくださった先生は、

『6年間で小学校4年生のカリキュラムまで身につくように進めている

とおっしゃっていました。

これは全国の小学校で統一の目標かどうかは分かりません。
(あくまでも息子が通う小学校で聞いた内容です。)
それ以上の学力があるお子さんの場合は個別に進めるので5年生、6年生と勉強を進めることも可能のようですが、進みがゆっくりなお子さんの場合は小学校で4年生くらいまでを目標とし、それでも足りなければさらに塾などでで補うお子さんもいらっしゃるようです。

要するに本人次第…支援学級だから遅いということではなく『本人のペース』を大切にしてくれるようです。
その上でカリキュラムに理解が追いつかない場合はその分遅れが生じてしまう、という認識のようです。

【デメリット4】将来の進路の選択肢が狭くなる可能性がある

これは十分あり得ることだと思っています。
調べたところ、中学校でも特別支援学級がある学校はたくさんあるようです。なので中学進学については心配はないかと。
小学校で特別支援級であれば中学校でも特別支援級になるお子さんも多いようです。

但し、ここでハッと気付かされたのが高校以降の進路について。

私的には高校以降は高等支援学校に行くほどの知的障害があるわけでもない、いわゆるグレーゾーンに位置する息子の進路は、その時に行ける高校があればそれでいいかな…と思っていましたが、特別支援学級だと内申点というものがつかないらしいのです。
内申点がつかないと、高校受験は当日点が決め手となってきます。

前項でお話した『学習の遅れが出ないこと』と繋がってきますが、そもそも勉強がカリキュラム通りに追いつかない場合、中学3年までに高校受験に必要な学習内容が身につかない。
受けれるレベルの高校も自ずと低くなり、選択肢が少ないんだと実感しました。

また、これはまだ私自身情報が足りない状況なので確実な話ではありまんが、うちの住んでいる地域では高校に特別支援学級を設けてくれている高校はかなり少ないようです。そして特別支援学級に所属している子が高校から普通学級へと希望したところで受け入れてくれない高校もあるという噂も聞いたことがあります。

実際に今いる小学校の特別支援学級の先生にも先々の話を聞くと、やはり中学校の時点で特別支援学級か通常学級かでその先の将来の選択肢は大きく変わってくるとのこと。
もちろん本人の限界を無視して無理をさせる必要はないでしょうが、やはり本人のペースを尊重してくれるとはいえ特別支援学級でも可能な限り通常のカリキュラムに追いつくよう家でも我が子をサポートする必要があるんだなと気付かされました。

実際に特別支援学級を1年通った感想

現在息子は小学2年生となりましたが、今の所、特別支援学級であるが故に伸び代を失っている感じは全くありません。

1年生も途中で周りのお母さんに授業の進行具合を聞くとやはり通常学級の方が早いな…と感じてましたが、実際にうちも年度終わりまでには1年生のカリキュラムもほとんど遅れがなくすみました。
むしろ去年1年間、本人のペースで学べたことで着実に自分の知識となっているように感じます。

担任の先生のおかげだな、と感じます。

ただ、苦手な国語は理解に乏しい部分があったので、その復習と今後の勉強の補完のために我が家では2年生からは家庭でもタブレット学習を取り入れました!

我が家では進研ゼミのタブレット教材『チャレンジタッチ』を取り入れました。きっかけはチラシを見せて本人がコンテンツや景品に興味を示したという、教材の内容ではありませんでしたが、息子本人が自分から「やってみたい」と意欲を示したのではじめてみました!

今の所ほぼ毎日取り組んでいて家庭学習の習慣も身についてきて始めてよかったです☆

うちは家でできる方法を選びましたが、他のお子さんでは学習支援に特化したデイサービスを増やしたり、塾に通わせるご家庭もあったりと支援学級のお子さんも学校以外にも学習の機会を取り入れて工夫されているようです。

どう決めたら良い?〜特別支援学級は人生のデメリットになるのか

特別支援学級は誰でも行けるわけではない

特別支援学級への進学は希望すれば誰でも入れる、というわけではありません。
まずは自治体で運営している教育相談に行き、発達検査を受けたことがなければ検査も受けなければなりません。

発達検査の結果と面談による聞き取り調査を行なった上で、保護者が希望しないと特別支援学級へは行けません。

まずは我が子について把握する意味でも発達検査はしてみる価値はある

うちの子場合は3歳の頃から児童精神科にかかり定期的に発達検査もしてましたので、新たに検査の必要性はありませんでした。

ポイント

  • 知的障害があるかどうか
  • 我が子がの成長に遅れがないか
  • 何ができて何を苦手とするのか

上記について、我が子は今までの受けた検査結果から把握することができていました。
そのおかげで色々と話が進めやすかったですし、何よりも我が子の進路を決める判断においても冷静に考えることができました。

ただ、特別支援学級へ行く子たちが皆、病院へ通っているわけではなく、発達検査も教育相談で初めて受ける方も多いと思います。
今まで他の子と同じような環境で生活してきたお子さんなら尚更、受け入れがたい親御さんだっていると思います。
でも検査で何らかの結果が出るということは、支援が必要な可能性があるということ。

私自身は我が子の状況把握をすることが支援の第一歩と思うので、教育相談に行く意味、検査を受ける価値というのはあるんじゃないかな、と考えます。
その上で例えば教育相談で特別支援学級を勧められたとしてもそこに強制力はなく、最終的にどちらの学級に行くかを決めるのは親御さんです。

就学予定の学校へ見学に行く

そして、これは任意ですが行く予定の学校の通常学級と特別支援学級の両方の見学も行ったほうが良い、とアドバイスを受けました。
理由はその学校による雰囲気も異なること。特別支援学級にいるお子さんの特性は様々なので、

ポイント

  • 学級内にいる性別の割合
  • クラス内の障害の種別(知的障害が多いか、自閉・情緒が多いかなど)

この割合によっても普段の授業以外のクラスの過ごしやすさ、行事ごとなどの取り組み方も変わってくるようです。

特別支援学級にするか否か我が家の判断基準

個人的に思う特別支援学級にするか否かの判断基準としては、

子供自身が困っているかどうか。

そして、

どちらの方が子供を伸ばす環境として適しているか。

ってところを重点的に考えました。そして、実際の学校の様子を通常学級と特別支援学級の両方を見学をして決めました。

特別支援学級のメリット・デメリットを親が分かっていることで、その後も学校側と必要な支援を相談しやすいと思います。
調べたり、何度も見学に行ったり…と正直大変でしたが、色々と事前に情報を集めておいて私は良かったと思います。

結局、特別支援学級は人生のデメリットになるのか

私はそうは思いません。むしろ最初は特別支援学級に入れて正解でした。

通常学級に比べて少数のクラスですし、よく知らない人からしたら特別支援学級にいるだけで偏見を持たれる可能性はありますが、実際に通わせてみて息子はできることが本当に増えました。大きな勉強の遅れもなく2年生からは交流級の科目も増えました。
通常学級スタートだったらおそらくもっとつまづいていたと思います。

特別支援学級に在籍しても交流級で通常学級と関わることはできる

支援学級に在籍していても交流学級といって、朝の会や休み時間、得意な教科があれば可能な限り通常学級に混ざり生活する機会はあります。

うちの場合は入学当初は、特性でもある言語の苦手さがあり、伝えたいことをうまく言葉にできな買ったのでまだ交流学級は難しい状況でした。
また、勉強以外の休み時間の過ごし方や授業前の準備なども1人ではできないので最初の一年間は朝の会のみ、交流学級に参加していました。

しかし2年生になってからは、息子もだいぶできることも増えたので、朝の会の他に割と得意な算数も交流学級に行けることになりました。
(先生からご提案を頂いたときは涙が出るくらい嬉しかった〜)

このように特別支援学級でも本人のできる範囲で通常学級に関わることも可能ではあります。

但し、親の希望だけ通そうとしても学校側の都合もあるので、必ずしも希望が通るとは限りません。
先生方のご都合も思慮して交渉することがお勧めです。

途中で特別支援学級から通常学級への転学は可能なのか?

支援学級から通常学級への変更についても可能なのか調べました。

実際の制度上では、自治体の教育委員会の方に申請して通れば可能なようです。
しかし、学校側で対応してくれるかは正直不安に感じます。

実際に入学前に知り合いのお母さんから色々な小学校の話は聞いていましたが、中には本当に年度途中や新年度の切り替え時から通常学級へ移行されたお子さんの話も聞きました。

しかし、通常学級では今まで手厚くしてもらえていた支援は受けられないと思った方が良いようです。

授業のペースも一人一人の子供に合わせてはもらえません。
授業前の準備や時間割の確認、授業以外の細かなことも自分でやらなければなりません。

そして、学校により対応に差があるんじゃないかとも想定しています。
以前、入学前の見学時に支援学級から普通学級への移動は可能なのか先生に聞いてみたんですが、

できなくはないが、前例はない

…と言われました。

雰囲気的にあまり簡単に変更できるような印象ではないお返事でした。

ただ調べたところ、うちの小学校の支援学級自体がまだ4〜5年しか経っていないようで比較的新しいので、色々と前例がないのは仕方がないのかもしれません。
そして、学校側も色々とご都合があるんだとも思うので、もし今後通常学級でも大丈夫そうなくらい息子が成長をしてくれたなら、学校側にご迷惑がかからないタイミングで変更の相談をしていきたいと考えてます。

特別支援学級に対するデメリット感よりも、今子供に必要な支援と環境を

個人的に思うことですが、
特別支援学級と聞くと障害者のイメージがどうしても強くなり、周りに対する印象や、やはり『普通』と言う環境から離れる懸念がどうしてもあると思います。

そこにデメリットな印象を感じ、いわゆる『普通』と言う枠から離れたくない気持ちが出てくると思います。

確かにスタンダードな進路ではなく、少数派なんですよね。

うちの長男は3歳で自閉症スペクトラムの診断がついているので、すでに障害者と言う位置づけにも受け入れるしかない状況でしたので支援学級に入れることにさほど抵抗はありませんでした。
但し、一応息子にも通常学級と支援学級、両方を見学させて本人の意見も聞きました。

幼い子供じゃ正直わからないことの方が多いでしょうが、それでも見た感じの印象でも良いと思い、本人の意見も参考にしました。

我が家の場合、息子自身よくわからないまま見学していましたが、支援学級の環境の方が居心地良かったのか自分でも支援学級を選んでいました。
結果的にうちの子は支援学級に入れて良かったと思いますが、本人がもし通常学級を強く希望したら通常学級からスタートしていたかもしれません。

でも、どこに在籍していても本人が前向きに頑張れる環境にいさせてあげたいと思うので、これからも困り感や辛さがないか注意して様子を見てあげたいと考えます。

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札幌で夫と2人の子供と暮らしてます。 医療専門職/Webデザイナー/ブロガーと多様な働き方をしてます。 長男の自閉症スペクトラムが発覚してからは育児と仕事の両立に試行錯誤しながらも自分らしく暮らすために日々奮闘中。このブログでは、そんな日々の記録を綴ってます。

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